リ・デザインを考えつづける|「図書館」(仮称)リ・デザイン Advent Calendar 2020

誰かに「図書館」を説明しようとすると、困ることがある。これだ!とはっきりと言えないということだ。例えば、建物の中で過ごすのか、本を持ち帰って家で楽しむのかでも異なり、娯楽なのか学習なのか居場所なのかでも違う。みんなが知っているようで、でも思い浮かべる機能もサービスもバラバラな場所であるように思う。

未来から見た「今の私」にとって深刻な、感染症による影響は「図書館」が曖昧な存在であったことを明らかにした。「図書館」として何を行いつづけるのか、それは本の貸出だったのだろうか。本の貸出は手段で目的ではないんじゃない?とか。

「図書館」(仮称)を再定置することを目的として始まったリ・デザイン会議は、「図書館」だけを考えるのではなくて、けれど他との関わりを踏まえて再度「図書館」ってなんだろう?と考える取り組みなのだと思っている。

新たな取り組みを考えているようで、過去の誰かの積み重ねがいいとか悪いとか、結果を話しながら、同じところをぐるぐる回っている気がしている。10年後、どんな未来があり、そこでの「図書館」(仮称)は今と違うだろうか。今日から続く明日は急に変わらないように、このままだと10年後もそのままではないかと不安になる。10年後が変わらなければ、20年後や30年後も大差ないだろう。

「図書館」(仮称)って本当に必要?と当たり前のようなことから考え直したい。今日を生きていくのに必死なのは、未来が薄暗いからではないだろうか。考えても答えが出るわけではないが、答えは考えなければ出てこない。少しでも明るい未来になるように考えつづけたい。

2020年12月5日

公共図書館員/ラクガキ司書 三浦なつみ

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