20年前に考えていた「10年後の図書館」|「図書館」(仮称)リ・デザイン Advent Calendar 2020

20年前に書いた小作文

2000年に新卒でいまの会社に入社したのですが、その就職試験の応募書類として「10年後の図書館像あるいは10年後の図書館に期待するサービス」という小作文を書きました。執筆・提出は1999年5月のことです。当時の募集要項を見ると、

※小作文のテーマ
 「10年後の図書館像あるいは10年後の図書館に期待するサービス」
 または「TRCのホームページで感じたこと」
(ワープロ使用 A4用紙1枚 文字数自由 右上に名前を明記のこと)

と、ありました。(その小作文は長いので末尾(pdf)に載せます。)

20年後にふりかえる

冒頭に書いてあるように、2009年を未来として想定してますが、今からみると10年前ですよね。読み返してみると、ちっとも実現していない部分と、そのとおりになった部分と、いろいろありますね。VRゴーグルはゲームとか映像体験の分野ではありますけど、まだ情報検索の場面では使われていないですかね。新聞はまだ売っていますけど、それよりもよっぽどスマホでニュース読んでますよね。まだ、会社に通うってことは(私は)していますけど。広域連携と有料宅配と運営委託とあらいろいろ書いてある。

すげー文を書いたもんだな、って思いますね。自分ながら。

図書館界にまったく縁がない(土木系の学生だった)私でも、このぐらいの未来は見ていた、と言うこともできるし、そこからまだまだ先へ行っていないし、到達していないなってところはあるでしょう。土木系の公共政策でPFIって言われていたのは確かですが、まさか本気でこんなにずるずると指定管理者制度が図書館に導入されるとは思ってなかった、それは確かです。

会社に入って、またちょっと図書館系のことを学んで(通信課程で司書資格取ったのは2010年でした)、ここに付け加えるべき「未来」はなんでしょうかね。

教育というか生涯学習的な要素については、もう少し考えて入れたいかなと最近は思います。あと(映画『パブリック 図書館の奇跡』を観たので)「レクリエーション」についても考え直したい。もちろん、地域にあっては郷土資料の保存収集というものに注目して。まあ、あと、社会がこれからシュリンクする時代というのを加味したら、あと30年ぐらいは「冬眠」しなきゃいけないんじゃないかなとも思うし。

20年前も今も、あんまり紙の本がなくなるっていうふうには想像していないですね。それはなんか不思議。私の認識が甘いのだと思いますけれども。

コロナ禍を契機として、図書館を(その名前からも)考え直してみようという、「図書館(仮称)リ・デザイン会議」。展開の渦中に身を置いて、聞いて、考えて、述べて、そのありようを考える場所に居続けたいと思います。

2020年12月6日

図書館系会社員 石黒充

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執筆者のブログより転載しています。