図書館嫌いにとっての図書館(仮)|「図書館」(仮称)リ・デザイン Advent Calendar 2020

図書館が嫌いだったから、図書館づくりに参加してみたのが今から7年半前の2013年。

読み聞かせボランティアをしているくせに、お役所のような、シ~ンとして、くしゃみ1つするのもはばかられるような公共図書館が苦手でした。せっかくつくるなら、私のように、あまり図書館に行かない人、行く必要を感じていない人が来るような図書館、そして30年後も使える図書館にしたいと思ったのでした。

図書館建設検討委員になって各地の図書館の視察にも行かせていただいて気がついたのは、話題の図書館が持つ特徴は、その自治体の歴史や特徴と結びついているように見えたこと。

「じゃあうちの町にはどういう図書館が必要なんだろう」その問いを立てた頃には、答申が出来上がり、1年半の委員の任期が終わってしまいました。

めっちゃモヤモヤしたまま、任期は終わっても、図書館とはどうやってつくるべきなのかを自身に問い続けていて、ある日出会ったのが『未来の図書館、はじめませんか?』(岡本 真/森 旭彦, 2014)でした。なんということか、図書館づくりのための本があることさえ知らなかったのです。

それくらい図書館について無知だったことを猛省して勉強し始めたけれど、町の図書館建設はどんどん進んでいって、2018年7月7日に、図書館機能「ほんの森」を含んだ複合交流施設せんとぴゅあⅡがオープンしました。

色々経緯があって、オープン時、私は図書ボランティア・コーディネーターという職の委託を受けて、中の人になりました。図書ボランティアを組織して、図書イベントの企画運営をしながら、司書という仕事に興味を持ちました。

「司書ってどういうことを知っていて、何ができる人なんだろう」それを知りたくて司書資格を取る勉強を始めました。

司書科目の学習は驚きと感動の連続でしたが、1年かかって資格取得できた頃には、これまた色々あって、中の人を辞めて町議会議員になりました。

さて、東川町複合交流施設せんとぴゅあⅡは、中に入ると書架がたくさんあるわけで、だいたいみなさん図書館と呼んでいます。

でもそれ以外に、博物館のような大雪山アーカイブスもある、美術館のような椅子のコレクションもある、今はコロナ禍で席数を間引きしているけれど、BGMの流れる中でゆったり座って飲食や勉強もできる町内家具の座席もあって、イベントや打合せができる部屋もある。

この施設って図書館じゃないんだよなぁ・・・いまさらそう考え始めた時に、「図書館」(仮称)リ・デザイン会議に出会いました。

そうだ、「図書館」(仮称)なのかも。

町外のかたからは、良い施設があって羨ましいと言っていただける一方、町内には未だに行ったことがないという方もおられます。

この大好きな施設に、みんなが来てくれるように、30年後も利用してもらえるように、どう成長させていったら良いのか、何と呼んだら良いのか、リ・デザイン会議と一緒に考えたいと思います。

こんな図書館初心者なので、リ・デザイン会議に入るまでにものすごく勇気が要りましたが、何事もやってみることが大事と思い、56歳の誕生日の記念に思い切って書かせていただけることに感謝。

2021年1月5日

鈴木哉美(まちの学級委員)

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