図書館界隈へのラブレター|「図書館」(仮称)リ・デザイン Advent Calendar 2020

 20年憧れていた図書館の世界には、きっと私みたい方々がたっくさんいて、ハーレムのような世界なのだろうとちょっと前まで、本気で思っていた。でも、図書館界で転々と働いてきた同僚曰く、私の図書館愛は病的で見境がなく類を見ない、らしい。

仕事の日もそうじゃない日も、図書館界隈のことを考えない日はなくて、「そんなに考えて疲れない?」と言われたこともある。無自覚に“好き”が溢れているようで、時にはダダ漏れで困っている。

この場で何をどんな風に語るのか、語れるのかなぁ?と考えているうちに、クリスマスに合わせたアドベントカレンダーは終わり、2021年も2週間経って2回目の緊急事態宣言まで発令されてしまった。「本にまみれて暮らしたい」という野望のもと、司書になってしまった身としては、図書館(仮)についてお話をしようとすると長い長いカオスなお話になってしまうに違いない。

「図書館が好きです」という感覚よりも、特定の図書館やその世界を作った方々のことを好きになってしまう(もちろん勤務館がピカイチ好き)。図書館を見学したり、そこで働く方々のお話を伺ったりすると、その図書館やその方のファンになり勝手に弟子入りしている。館や人に直接出逢うと、それぞれの愛(郷土愛、利用者への愛、スタッフへの愛、本への愛、マニアックな愛など)が詰まっていてワクワクや煌きを感じることができる。

30年後の図書館(仮)を考えるとき、図書館は不要不急じゃないと語るとき、ものすごく単純に“私”の好き/図書館界隈の人の好き/みんなの好き/を合わせれば 素敵なワクワクするようなドキドキするような図書館(仮)が妄想できるんじゃないかと思う。30年後の“誰か”が使う図書館(仮)ではなくて、私の/わたしたちの/みんなの図書館(仮)。

 どんな図書館(仮)が好き(嫌い)ですか?それは、どうしてですか? 
 どうしたら、もっと好きになってくれますか?
 私はこんな図書館(仮)がすきです。
 良いでしょう?遊びに来たくなりませんか?
 そんなワクワクするお話をみんなでしたいなぁと思います。
 “みんな”って誰だろう。これも司書デビューした時からの問いでした(これはまた別の話)。

図書館(仮)を再定置するリ・デザイン会議では、考える/発言する/書く/という脳みそを動かす活動だ。難しい格好いい新しい言葉も必要で、外に語るには大事なことだと思う。でもシンプルに「好き」やワクワクを大事にしながらリ・デザインしたいなぁ。

2021年1月14日

葛西沙織 ミーハーな司書

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