第2回会議:第1部・2部セッション1(2021年5月16日)

「図書館」(仮称)リ・デザイン会議では、第2回会議を2021年5月16日に開催いたしました。報告については「第1部」「第2部 セッション1」を本ページで、「第2部 セッション2」を“その2ページ”にて公開しています。

タイムテーブル

13:30~          オープン
14:00~14:15 オープニングトーク&写真撮影  
14:15~14:40 第1部 全体セッション
14:40~15:00 ブレイクアウトルームの説明   
15:00~16:20 第2部 セッション1
16:20~16:30 休憩
16:30~17:50 第2部 セッション2
17:50~18:00 クロージングトーク
18:40~    アフターパーティ

第1部

全体セッション:「図書館」(仮称)を再設計(リ・デザイン)する

三浦なつみ(図書館司書・Library Resource Guide 35号 特集責任編集)

発表資料(PDF・1,072KB)ダウンロード

第2部 セッション1

【ルーム1】図書館論千本ノック~愛の図書館本読まずに新年度か!~

 直近2~3年に発刊された図書館を題材にした書籍を紹介しながら、最近の図書館にかかる事情、論点を炙り出す。フロアからのチャットを通じた双方向の議論が展開された。以下当日の進行を振り返る形でその記録を記載する。

本題に入る前の三冊

 2020年が図書館法施行70周年であったせいか、制度としての図書館の歴史を意識した本の出版が多いように思う。それら本題の本を紹介する前に、関連する三冊を紹介しておく。

 一冊は、川島秀一『本読みの民俗誌』(2020年)で、東北地方で、昭和30年代テレビの普及とともに減少したとされる、合戦物などを中心とした物語を集落ごとに巡回し読み聞かせ、また物語収集をお行う人々、「本読み」の足跡を改めてたどりながら、311以降の人々のよりどころとなる物語について言及したものである。

 二冊目は関連して、3.11の10年目にいたって東北の本のある場所がどのような経過を経ているのかを取材した、先週出た『ダヴィンチ6月号』の「特別企画「本のある場所」のいま

─10年後の被災地、図書館、書店、古本屋、出版社をめぐる─」である。この特集は、東北各地の本の場所を提供しながら出版、アーカイブ、図書館などでの取り組みを精力的に紹介している。

 三冊目は、魚住昭『出版と権力』(2021年)で、講談社の創業者、野間清治から戦後を牽引した野間省一までを中心に、講談社110年の歴史を中心に出版と大衆文化の歴史を振り返る。図書館関係者も一読しておくべきものとして紹介しておく。

千本ノック本題

 それでは本題の課題図書を、2019年から一冊づつ紹介しながら振り返ってみたい。

「図書館・まち育て・デモクラシー」(嶋田学、青弓社、2019)

 岡山県瀬戸内図書館(もみわ広場)を立ち上げた経験を中心に書かれた本。参加者では9~10人くらい読んでいる(以下ほかの本の冒頭の人数も同じ)。

図書館について、社会学的な観点から書かれているのが特徴。「まちづくり」ではなく、すでにそこに「まち」はあるはず、という視点から「まち育て」という語を用いている。そして、もみわ広場―もちより・みつけ・わけあう―の「もちより」は、情報を持ち寄るのではなく情報ニーズを持ち寄るのだ、という発見があった。

フロアからは、この本を読むにあたり、「前川恒雄さんの「市民の図書館」からの展開、シチズンシップ、「怒りの書」前向きなソーシャルキャピタル、どす黒いものの読み取り、

プロパガンダとして果たした役割を見つめなおす点があるのではないか」とのご指摘をいただいた。

LRG31号「図書館機能の再定置」(ARG、2020)

 デジタルリソースの活用。Covid19禍で何をやっていくか。

 フロアでは7人くらい読んでいると反応があった。

苦学と立身と図書館(2020年)

 フロアから4人くらい読んでいるとの反応。

 こちらの本についてフロアから、「戦後にはいり図書館が、教育プログラムから縁遠くなった印象があるのだが、戦前ではそうした役割を担っていたのかもしれない。」とのコメントをいただく。

 また、明治30年代における学生の「立身」を支える場としての図書館史にクローズアップする本書において、図書館が独学中心になったのは何時からかという質問もフロアからいただいた。直接の返答ではないが、本書の中に、「音読から黙読の変化」更には「黙学」という章があったことを紹介した。

「レファレンスと図書館」(大串夏身、2019、皓星社、2019)
「公共図書館が消滅する日」(薬師院仁志・はるみ、牧野出版、2020)

 賛否両論ある本書であるが、7名の方が読んでいるとのことであった。

 また、雑誌、図書館界での新出氏の書評を紹介し、フロアからも薬師院氏が本書に言及した投稿を本誌にてしている点を補足いただいた。

 フロアからは、「批判もあるが、一定の評価をしている。公共図書館の理解に関して、社会学的、もしくはフーコーが果たしたような役割に近い部分の指摘があったのではと思う。つまり、これまでの常識の構築などをふまえて、硬直化している部分の構造化を果たしているのではないか。社会の問題点を可視化する。一方で日野市の予算配分についての言及部分について、危なさも感じる。」とコメントをいただいた。 

「図書館にドン・キホーテがいた頃」(東條文規、ポッド出版プラス、2021)

 参加者のうち、3人くらい読んでいた。

 図書館事業基本法1980年、学術系のネットワーク構築(文科省)、時代の中で批判をしてきた方々にスポット。前川恒雄さんの取り組みの次世代、の文脈。大学図書館という文脈、労組系・社会労働系からの取り組み。多数派ではない現代から批判はするが、まず歴史に遺す。

 1980年代~90年代はじめまで、学術系について図書館関係団体が戦々恐々としていた点や、受け容れづらかった点、

 最も過激な立場からはコンピュータの敵視的視点から文明批判を行ったグループが図書館関係者にいた点を、本書は記録している。

「アーカイブの思想」(根本彰、みすず書房、2021)

 本書では、「アーカイブ」を知のシステムの基盤として見做し、そうした視点から西洋社会をはじめ近代化の知のシステム化の歴史としてこれまでの社会教育施設の法制・実定までの流れが把握されている。そして地域的にシステマティックなアーカイブを構築しうるかどうかも今後の社会的な論点としている。

 かなり難しいエッセンスが把握されており、内容自体は相当練られている。わかりやすい言葉の半面、しっかりと本書の主題を意識しながら読む必要があるのではと感じさせるものとなっている。週刊読書人4/9日号に田村さんと根本さんの対談もこの場で合わせて紹介した。

補論『情報基盤としての学校図書館(根本彰)』

 フロアからは、「学校図書館の司書は情報基盤をつくるために担い手になれるかという質問を以前根本先生にしたことがあったが、あまり判然としなかった。アーカイブの思想は西洋では進んでいったが、日本ではできない道に進んでしまった。恨み節に聞こえる。」との質問が出された。

 この質問に対して、本書では、アーカイブとして扱うものが編み込まれていった歴史に着目し、文明の一つの記録の総体として、アーカイブというものを理解しようと試みている。またそれは江戸期の出版文化の事例なども想定しており、図書館の制約を飛び越えて行く必要がある点を指摘している点を紹介した。別の参加者からは、「本という冊子体」の捉え方が違うのではないかと思った、という趣旨のコメントもあった。

まとめに変えて

 以上、一冊づつ取り上げ、途中のブレイクアウトルームのトラブル等もあったが、概ね参加者と継続して参加ができたことで、紹介する主要な本の情報提供はある程度果たせたように思う。ただし、最後のまとめの時間がどうしても少なくなり、その点が分科会としては残念であった。とくに、「本とは何か(単なる冊子体だけでいいのか)」、「読書とは何を指すか」などの論点も含むコメントもあったため、そのれらの論点を踏まえて紹介した本を捉えなおす議論の時間が取れなかった点も残念であった。また今後は取上げた本等の読書会等の方法で、継続してこうした出版物の意義や問題意識などを批判的に共有していきたい。

参加者アンケート

 参加者にgoogleフォームを利用したアンケートを募集した。2021年6月1日現在で15名の方の意見が集約されている。その内容を読むと、「図書館に関する書籍が出版される理由が知りたい」、「分かりやすくて面白いコメントの数々にあっという間の時間」、「(紹介を)千本行って欲しかった」、などの意見と複数の「未読の本があった」という、意見をいただいた。この企画自体、多忙な中で、「図書館がどう論じられているか、論じられてきたか」の共有を目指していただけに、千本といいながらも数冊にとどまりつつも、紹介した10冊強の共有に多少は貢献した半面、課題として、膨大な資料を今後どのように共有していけるか、また、「読書とは何か」、「本とは何か」、という、「図書館」の特質よりさらに根源的な問いを含みつつ、その分野の問題意識の共有や課題共有の場もはかられるべきではないかとの課題が残る。

 ご参加いただいた皆さんありがとうございました。

【ルーム2】新著『図書館をひらく』(仮称)編集会議

  • 担当者:岡本、上田
  • 参加者:公共11名、学校2名、一般4名、行政2名

内容のまとめ

1.主催者からルーム開催について趣旨の説明

図書館に関わっているなら、言葉にすることが大事。
まとまった本を書かないといけないと考える。
その中で、自分の関心は公共図書館である。大きな領域に対してより間口が広いからだ
argは「学問を生かす社会」というビジョンがある。
情報に関して、サイエンスやエビデンスをを大事にしたい。
情報・知識を活用することを知恵につなげたい。
公共図書館の司書さんを通じて、政策決定権のある人に刺さる内容にしたい。
手段としての図書館の管理のあり方に課題がある。
定量か定性か、それは評価のあり方である。
作ったあとの評価をきちんとやらないと運営の継続性につながらない。
図書館分野の研究はどうしても従来の価値評価に引っ張られる。
何が期待されているかに敏感になってしまう。
シンプルにその自治体に居住し続ける理由、住民が何を評価しているかを知ること。
ある個人の評価のバックに数多の評価事例がある。
図書館は(特別なものではなく)他の行政サービスや民間事業と競合する。
行政評価の中で金銭価値で計れないものをどう認識してもらうか。
選ばれる自治体にならないといけない
自治体の未来を作るための投資、考える場としての本であり図書館だ。
DXに置き換えるだけでいいのか。オンラインでアクセスの幅は広がるが。
投資を削る一方ではジリ貧。掛け声だけの民間活用から第3の道へ。
仲間、理解者を増やすため、情報をオープンにする。
いまの「図書館」で担えない新しいやり方を見つける。

2.意見交換 

タイトルに「図書館」をつけないのはどうか。
手段としての図書館、賢く使わないと損をすると感じさせると効果的。
情報を取るのはスマホだけで足りるのか、図書館は小説を借りるだけか。
現実的な成功事例を見せていく。

   伊丹市立図書館ことば蔵
   名取市図書館

市民との協働をいかに伝えていくか。
世の中を大きく変えるには、若い世代(20代)への発信していきたい。
未来のビジョンを描くのは20代。
どう若い世代にパスを渡していくか、それを意識的に、そのための動き方の工夫。
最近、評価の期間が短くなっている、長い目で見る評価が必要なのではないか。

3.結び 

書くことは良いこと、理屈を整理するが大事。
テキストで残せば、後の世代の人とテキストを通して対面することができる。
紙で残すことの意味、恩送りとも言える。

【ルーム3】ブックポーカー

  • 担当者:4名 setsu tanaka 高柳有理子 葛西沙織 今井つかさ
  • 参加人数:5名 
  • 参加者:公共1名 学校1名 図書館関係者1名 まちライブラリー1名 一般1名

ゲーム内容

 参加者が持参した本について2ゲーム開催。5人の参加者に順番で質問を出してもらい、各自が持参した本のタイトルを推理してもらった。質問は、物語の舞台は海外?主人公の職業は?図書館におくなら分類は?等、キラークエスチョンから質問者の個性がきらっと光るものまで多岐に渡った。答え合わせと共に、自分が持参した本の紹介もしてもらった。質問の内容や答え方に、参加者の人となりがにじみ出ていて、本を介したコミュニケーションとして楽しい時間をもつことができた。

参加者が紹介した本 

Round 1

『星がひとつほしいとの祈り』978-4-408-55145-6

『獄中シェイクスピア劇団』978-4-08-773507-9

『密やかな結晶』978-4-06-521464-0

『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』978-4-907064-43-3

『シアター!』978-4-04-868221-3        

Round 2

『毎朝、服に迷わない』978-4-478-06912-7

『チルドレン』978-4-06-212442-3

『アラバマ物語』978-4-7660-0006-1

『キリン解剖記』978-4-8163-6679-6

『食堂かたつむり』978-4-591-10063-9 

当日の様子 参加者にHP掲載 許可済み

参加者の声

  • オンラインでも、楽しい。リアルverのブックポーカーもやってみたい。
  • 本を楽しく語る方法だと思った。自分たちでもやってみたい。
  • 自分の所属しているグループのイベントの候補にしたい。
  • コミュニケーションの手段のひとつになる。
  • 質問と回答のさじ加減が絶妙で、面白い。
  • 紹介者と本の組み合わせが、バレバレなのに、あえてそこを突っ込んでこない、みんなの優しさを感じた。
  • 紹介本のジャンルが、自分だけ違うように感じて、すぐにバレると思ったけど、意外にバレず。奥が深い…。
  • 会話だけではわからない事を、質問でさぐる楽しさがある。

担当者の感想

  • 音声を追いながら記録係をしたが、聞くだけでも、すごく楽しかった。Round2では、参加者の打ち解けぶり・突っ込みぶり・気のつかいぶり(答えを察しても、あえて指摘しない)がいっそう感じられて、興味深いゲームだと思った。
  • 思ったよりテンポよく質問しあえて笑い声もありよかった。これも担当者4人で取り組めたおかげだと思う。参加した方に楽しかったと言っていただけてホッとした。
  • オンライン上で、初対面の人同士が、打ち解け合ってしゃべれる場をつくることは、結構難しいことだと思った。でも、リ・デザイン会議のブックポーカーでは、それなりに実現できたのではないかと自負している。あの場に集まってくれた人と本に、感謝したい(私は、キリンの本が読みたい…)。
  • オンラインイベントの運営に関わることも、ブックポーカーも初めてだったが、本を通した新しい繋がりができていく場に立ち会えたようで、嬉しい体験でした。

今回はゲーム時間が1時間だったので2ゲームとなった。徐々にやり方が解り会話が弾むので、3ゲームぐらいできるとより楽しいと思う。質問を繰り返すと、人となりも感じられるのがブックポーカーの魅力ではないだろうか。

【ルーム4】図書館でリクリエーション

  • 担当者:林、高倉、松岡
  • 参加人数:64名
  • 参加者:学生、一般、学校司書

話したこと

  • 図書館法におけるリクリエーションの記述について、神奈川県立図書館を例に解説。
  • 大阪市立図書館でのリクリエーションの提供の歴史紹介。視聴覚資料の貸出だけでなく、音楽会や映画会等を行い、読書振興や図書館の利用促進に行ってきた。最近は場としての図書館が話題だが、昨年度はHon+α!という空間をオープンし、市民が主体的に活動する場ができた。(現在臨時休館中)
  • リクリエーションというのは自発的な活動。全てのコンテンツとゲームは相性がよいと感じている。いろんなコンテンツ好きな人が集まり、図書館界が賑わっていくのでは。ゲームと図書館も同じく相性がよい。ゲームのモチーフを深く知るために歴史が知りたくなる。歴史を知るともっとゲームが楽しめる。モチーフもゲームもどちらも楽しくなり、読書推進につながると考えている。ゲームを図書館に導入しようとする際、騒音問題が取り上げられるが、ゾーニングして行うことがよいと考えている。静かに読書を楽しむ人のエリアを奪うのではなく、ゾーニングで対応したほうがよいと思っている。

それは図書館の仕事かと問われることがあるが、好奇心を刺激して知りたいと思ってもらい、豊かな人生を過ごしてほしいと考えている。これは図書館の仕事の一部だと考えている。また、ゲームを保存する意義については、小説を素晴らしいと思うのと同じように、ゲームにも何かを促す力があると感じている。国立国会図書館ではデジタルゲームは保存対象となっている。価値があるから保存する、価値がないから保存しないという判断は現在の人には決められない。100年後まで保存をしてその時の人が判断してくれるもの。ゲームを核にコミュニティができる事例も発生している。

感想(担当者)

  • 図書館でゲームなどケシカラン!という意見が一定数あるので、怒られませんようにと祈りながら参加しましたが、全くそんな事はなく、みなさんとても興味を持って聞いてくれました。質問も多くあり、初めて知ったという方も多かったので、図書館でのゲーム活動は、まだまだ浸透していないというのも実感できました。これからも頑張ります。
  • どちらかというとゲームを図書館で導入するために、という講座になってしまったかな。それならば、タイトルを最初から「図書館とゲーム」にしてしまった方が参加者にとって参加しやすかったのでは、と感じました。また、質疑応答が多かったのはよかったのですが、発展的なトークを少し入れると、リ・デザインの目的がより濃くでたのではないかと思います。参加者は好意的な感想が多かったことから、楽しんでいただけたと思います。

感想(参加者の声)

  • 年齢性別属性関係なく繋がれる共通項の一つがゲーム。そこからゆるいコミュニティができるってのはいいですね。
  • 司書がゲームに詳しくないのであれば、むしろ子どもが講師となって教えるような場にしてしまっても良いんじゃないかと思いました。
  • 静かな図書館を賑やかにする、ではなく、体験も共有できる場にする、これが良い視点ですね。

【ルーム5】GIGAスクール構想スタート! 図書館員×学校教員でアイデアソン!

  • 担当者:三浦一郎、市東、田子、千田、安田
  • 参加人数:21人
  • 参加者:教員、司書教諭、指導主事、公共司書、学校司書、図書館ボランティア

話したこと

ウェルカムメッセージ、チェックイン自己紹介、オリエンテーション(プログラムの流れ・ルール・Jamboard使い方の説明)のあと、4つのルーム(5-2から5-5)に分かれてアイデアソンを行った。各ルームに司書と教員が混ざり合うよう参加者を振り分け、それぞれファシリテーターがついた。各ルームのアイデアソンの様子はJamboardの画像やPDFファイル参照。その後、全体で各ルームの報告をきいて共有し、再びルームに分かれて振り返りをし、感想を話し合った。また、ルームのメンバーをシャッフルして感想を話し合い、交流した。

【当日投影スライド】

感想(三浦)

企画の意図に「『やりたい!』を大切に」というメッセージを込めた。GIGAスクール構想は、「やりたい!」がないと、「しなければならない」構想となってしまう。教員から見ると、(個人的には)司書・学校司書は「やりたい!」を受け止めるプロフェッショナルである。今回の企画そのものも図書館員ではない一教員発の「やりたい!」を素晴らしい司書・図書館関係者の皆様に受け止めていただいて実現した。教員も、司書も、そして子ども達の「やりたい!」が実現できるようにするためにも、「やりたい!」から出発する発想を根本に持っておきたいと思う。実際、「やりたい!」がたくさんあふれていたように思う。もちろん制約・制限は自治体ごと、学校のごとにそれぞれある。でも見え方が違う図書館員と学校教員が本気でタッグを組めば、視点の多様性が一気に増し、今回のように倍々ゲームのようにアイデアが広がる状況が作れることが分かった。身近にいなければ、オンラインで他自治体の方々でつながればよいことが分かった。とにかく自分の「やりたい!」を押し殺すことなく、解き放ち、受け入れてくれるコミュニティがあれば、実現に向けて大きな一歩となるという手応えもえることができた。

ファシリテーター感想

市東:多様な立場(小学校教員、小学校・中学校・高等学校・大学の図書館員)が集まり、安心してフラットに意見を交わせる場になった。企画のアイデアはいろいろ出たが、そこを深めるよりもGIGAスクールがもたらす変容と可能性について語る場になった。アイデアも広げていけると良かったが、今後に繋げたい。

田子:場が暖まると、いくらでもアイデアがあふれてきて、時間が足りないほど盛り上がった。教員と図書館員がタッグを組むと強い!ということをアピールし、学校図書館が蚊帳の外にならないように努めたい。

千田:「やってみたい」をベースに色々な立場から話し合うことができて、アイディアが広がった。子どもが直接学校の外とつながることができる機会になるので、よい面をうまく活用できるようにしていきたい。

安田:思った以上に多様な立場(教員、司書教諭、指導主事、公共司書、学校司書、図書館ボランティア)の参加があり、自分では思いつかない意見を伺えたことが収穫だった。出てきたアイデアは、どちらかと言えば実現できそう(手が届きそう)なものが多いように思ったが、今後さらに教員と図書館員がお互いに無理難題をぶつけ合うと、より一層面白い化学反応が起きそうだと感じた。

参加者感想

  • 様々な視点を得られたのがよかった。
  • 児童生徒にどんどん発信をしていってほしいと思っているので、そのツールとして上手く使っていきたい。
  • いよいよGIGAスクールがスタートして否応なしに現場に入ってきた今こそ、多く実践やヒントをいただき、自分も提供する、そういうコミュニケーションの場が設定されたことに価値を感じました。
  • 学校司書仲間で意見を出し合う機会はあるが、今回のような多様な立場のみなさんとICT活用のアイデアを出し合う機会は初めてで興奮しました。頭を柔らかくして賢く考えて動いていきたい。
  • GIGAスクールって何?から、何ができるのか?どう関われるのか?のイメージができたことがよかったです。また、オンラインイベントの進め方も学ばせていただきました。

各ルームのJamboardの画像

ルーム5-2Jamboard
ルーム5-3Jamboard
ルーム5-4Jamboard
ルーム5-5Jamboard

第2部 セッション2

2部 セッション2に続きます。