図書館は誰のもの?|「図書館」(仮称)リ・デザイン Advent Calendar 2020

図書館(仮称)って誰のものなんだろう?

そんなことを多く考える一年でした。

こんにちは。額賀順子と申します。男木島という瀬戸内に浮かぶ小さな島でNPO法人運営の小さな私設図書館をしています。

「男木島図書館」と名付けたこの図書館は最初「誰向けの図書館か」ということは特に決めずに走り始めました。島の人向けとすることはできるけど、島の外の人でもこの場所に来たいと思う人がいたら来て欲しいと思ったからです。

それが今年。新型コロナウイルス感染症の拡大防止のため、完全に「島の人向け」に舵を切りました。男木島は人口155人中90人以上が高齢者の島です。感染症のリスクは高く、この判断をしたことは間違えていないと思っています。
でも同時に「図書館という場所を特定の人に向けて開いている」という状況を作り出したのも確かです。

そんな中5月よりこの「図書館」(仮称)リ・デザイン会議が始まりました。図書館(仮称)をリ・デザインするためには、「そもそも図書館ってなんなのか」という共通認識を作ることも必要に思っています。
そもそも図書館とはなんなのか、誰のものなのか。

「みんなのもの」と言えば聞こえは良いでしょう。
でも、本当に?
新型コロナウイルス感染症が私たちに突きつけたのは、そんな命題だと感じています。

誰かのためと思って動くと、その誰かが思い通りにならなかった時に人はマイナスの感情を抱きます。そもそもその誰かが望んでいなかったことかもしれないのに。

なので、シンプルに。誰のもの、なのか。

もしかしたら図書館に関わる人々みんなが「わたしのもの」と思えると良いのかもしれません。自分勝手な「わたしのものだからこうしたい」というような想いではなく、「わたしのものだから真剣に考える」というような。

さて、あなたは図書館は誰のものだと思いますか?
ぜひ聞かせてください。

2020年12月20日

NPO法人男木島図書館 理事長 額賀順子