公共図書館の「活動」って?|「図書館」(仮称)リ・デザイン Advent Calendar 2020

「リ・デザイン」に参加した動機

私自身は、ウィキペディアタウンやオープンデータソンで公共図書館(以降、図書館)と関わることを除くと、たまに本を借りる程度のユーザーです。仕事もIT系の会社です。
そういった訳で、このブログに投稿する「専門家としての知見」なんてのはありません。

私が「リ・デザイン会議」に関わろうとした理由は、友人が何人か関わっているプロジェクトであることと、オープンデータソンなどの活動を通じて、図書館の在り方に興味を持ったことが参加した理由です。あと、Webサイトの運営も必要かなと思ってです。

さて、本題の「図書館の活動」について、個人的に気になっていることや考えていることを書かせて頂きます。単なる一市民の考えなので、気軽にお読み頂けたら幸いです。

「お話し会」が主な活動?

前提として、図書館の機能(資料の収集、整理、保存)とレファレンスサービスを提供した上で、「資料の利用」における「活動(行事)」についての考えとなります。

図書館の「活動(行事)」と言えば、真っ先に「子供向けのお話し会(よみきかせ)」が思いつきました。集計した訳ではありませんが、たいていの図書館(分館含む)では行事一覧に「お話し会」があることが、そう判断した理由です。

私自身はもう良い歳だし、子供も大きい方は成人を迎えているので「お話し会」に参加する機会は無いと考えています(ボランティアで読む側にならない限り)が、日本各地にある大抵の図書館で行われている大切な活動だろうと考えています。

では、「お話し会以外の主流な活動は?」と言えば、「見当たらない」ように思えます。

色んな活動はあるけれど

もちろん、「ビブリオバトル」「ウィキペディアタウン」「子育て相談・講演会」「ビジネス支援・相談会」「郷土史編纂・まち歩き」「ボードゲーム」「落語」「プロレス」など、本当に様々な活動が図書館で行われているかと思います。

その他、図書館と親しい市民団体(友の会、文庫連絡会など)と連携して、様々な市民活動を支援したり、図書館を活動の場として提供していることもあると思います。

ただ、各地の活動を調べるほどに、「地域差が非常に大きい」ように感じています(司書や地域の方たちの得意さや事情による影響が強い)。

まとめると、「お話し会」は「図書館の活動」として一般市民の認知と理解度が高く、否定的な意見は出ない(コロナ対策は除く)と考えられますが、他の活動は「日本各地で行われている図書館の活動」としての認知度は高く無いと考えています。

認知度を高めていくには

私自身は、2050年になっても図書館の「機能(資料の収集、整理、保存、利用)」と「レファレンスサービス」は当然維持されるべきものと考えています。もちろん、扱う媒体・通信などの「手段」は変化・進化すると考えています。

その上で、「資料(紙に限らない)の利用」の部分として「活動(一般公衆の利用に供する)」を見直して、一般市民の「図書館の活動」に対する認知度・理解度を高めていくことを、2050年に向けて取り組んで行けたら良いなと考えています。

また、たまに司書の方から「図書館は何にでも関われる」の趣旨で話されるのを見かけます。私もそう思いますが、「優先順位は低い」と認識される危険があります。より具体的に「図書館が関わる理由」を考えることが出来たらと思います。

最後に珍しい活動紹介

先月(11/29)に津山市立図書館で【オンライン講座「津山のWEB地図作りーOSMのはじめ方」を開催しました!】が開催されました(OSMとはOpenStreetMapの略名)。

私が調べる限り、日本で初めての「図書館とOpenStreetMap」が直接繋がった活動事例です。これまではウィキペディアを図書館との接着剤としてオープンデータソン(ウィキペディアタウン+OpenStreetMap編集)を開催することで繋げていました。

今回の開催自体は、恐らく「地域差」の範囲に含まれる事例であると思いますが、それでもCode for LIBでの発表にあるように、OpenStreetMapは図書館の武器として使えることを知って頂けた点も少しはあると考えています。

Code for LIB 2019発表「データで地域を繋げるオープンデータソン」より

つまり、「図書館が関わる理由」を提示している具体例であると考えられます。


日本各地の図書館が行う様々な活動を「地域差」として扱うと「図書館以外でも出来る」と判断されることになります。上記のように「図書館が関わる理由」を提示することが、一般市民に対する認知度・理解度の向上に繋がっていくと思います。

2020年12月7日
諸国・浪漫 / OpenStreetMap Foundation / Code for OSAKA 坂ノ下 勝幸

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